【ギモン】低体温になると妊娠しにくいって本当?

妊婦

妊娠のために基礎体温をつけはじめ、初めて気づいた低体温。基礎体温が35度台の低体温は、排卵障害を引き起こし不妊の原因になりやすいのです。不妊の人が医師から処方される治療薬のルトラールは、体温を上げることで妊娠を促進するホルモン薬です。女性の体温と妊娠の深い関係を探ります。

低体温と不妊

子供を生みたいのに月経不順でなかなか妊娠できずに悩んでいる人の中には、低体温の人が少なくありません。一般に平熱が36.2度以下の人を低体温と呼びます。低体温が続くと、女性ホルモンのバランスを崩して無月経、生理不順になりやすくなります。血液は大切な栄養素や酵素を運んでいますが、低体温で血流が悪くなると卵巣に刺激を与えて卵胞を成熟させる卵胞刺激ホルモンの分泌が低下し、排卵障害を引き起こします。とくに生殖機能のある下半身は冷えやすく卵管も収縮させてしまいます。またいったん受精卵が子宮内膜に着床しても低体温の場合は、黄体ホルモンの分泌が不十分で妊娠に至らない場合もあり、低体温は不妊症につながる女性にとって好ましくない状態と言えるのです。

妊娠と体温のメカニズム

妊娠するタイミングを知るために、基礎体温をつけ始める人も多いことでしょう。舌の下で計る基礎体温は平熱よりやや高めの値になるのが通常で、グラフにすると高温期と低温期の2層に分かれます。これは、卵巣からつくられる2つの女性ホルモンによルバイオリズムで、女性の妊娠と出産をつかさどります。生理の終わり頃から排卵前にかけて分泌が多くなるホルモンは卵胞ホルモンと呼ばれ、体温は低温期を示します。排卵後から着床・妊娠までを担うのは黄体ホルモンと呼ばれ、その分泌により身体は高温期になります。妊娠しなかった場合には、また生理が始まり低温期、そして高温期のサイクルを約28日周期で繰り返すのです。低温期と高温期の差は0.3-0.5度程度で、高温期の体温は36.5-37度が理想的といわれます。高温期にもかかわらず36度程度の人は、黄体ホルモンを増やす目的でルトラールというホルモン剤を使うことありますが、この薬は体温を上げて受精卵の着床を安定化する作用があります。このように、体温を上げることは妊娠にとても大きく影響します。妊娠するためには普段から身体を温める生活習慣に改善し、運動や入浴などで血行をよくすることが大切です。

まとめ

低体温は女性の大敵です。低体温によって血行が悪くなることで月経不順を引き起こし、排卵障害や黄体ホルモンの機能障害などの不妊を引き起こします。妊娠のために基礎体温を計るだけでなく、体温を1度でも上げる生活改善、身体を温める努力が妊娠への近道です。

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